仲直りとコミュニケーション能力
仲直りとは一見すると無縁に見えますが、いま会社が人を採用する時に重視するのは1番がコミュニケーション能力と言われます。
この「コミュニケーション能力」というのが何を意味しているか?も、実は企業の採用者も理解していないかもしれません。
私見ですが、今の日本の状況を見ると外国人や異なる意見を持つ人と力を出し合い新たな価値や文化を創造することだと考えると、平たく言えば「異文化理解能力」だと言えます。 異文化と言っても、同じ日本人でも周囲は異文化の人ばかりですから、外国人に限定せずに広義に考えなくてはいけません。
もう一つは特に日本人の特質と言われますが、協調性や空気を読む、という昔からのDNAです。波風が立たぬように振る舞うというと言い過ぎでしょうか。
一番目の異文化理解には、それに続く話し合いが不可欠ですが、話し合いには必ず衝突や対立の場面が現れます。その対立を超えた先に、相乗効果が表れて来るのですが、対立の場面になると、もう一つの「コミュニケーション能力」である同調性が襲い掛かって来る。
この矛盾の中で今の職場は混乱しています。というのが私の見方です。
この矛盾を、どうすれば解決できるのでしょうか。
ココからは仲直りの話です。
事業を引き継ぐ息子は「父の成果を元に、これからは様々な意見やアイデアを取り入れて、ますます事業を発展させたい」と社員や顧客に言うかもしれません。これは異文化理解を自ら推進したいということでしょう。
ところが「お前の力量を精一杯試してみなさい」という父は言いつつ、一方では「何かあれば直ぐに相談して欲しい。力になるから」と支援を申し出たつもりで、実は息子を縛っているのではないでしょうか。自分のやり方を踏襲して欲しい、という気持ちが見え隠れし、同調を求めている様に思えます。
この状況は、事業継承の親子だけでは、無く色んな場面で散見されるのではないでしょうか。
今のところ、この問題を解決できる方法が相手をストーリーで理解することです。双方の主張の背景にはストーリーがイッパイ控えています。
そのストーリーを聞き合うことが仲直りの第一歩でしょう。
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